「麦の葉は」について
「麦の葉は」は、皆さんよくご存知の通り長塚節の作品です。楽譜に縦書き(手書き)で載せておいたのは、良朝先生が書かれたものです。漢字交じりで表記してあると、意味がわかってありがたいです。ただ、最後の2行がオールひらがななので、ここだけ意味がわからないと、以前にも質問がありました。専門家の中島先生がいらっしゃったので、すぐに回答していただき助かりましたね。OBの皆さんが加わり、同じ質問が出ましたので、改めてここで解説したいと思います。
まず、この歌は明治40年に「早春の歌」として発表されたものです。
出来るだけ漢字を使って書いてみます。
麦の葉は
天つ雲雀の
声響き
一葉一葉に
揺りもて
延ぶらし
「天つ」は「天の、空の」 「揺りもて」は「百合の花」とは全く関係なかったのですね。(私はアホか!)「もて」は「以て」の促音の無表記から「持つ」の具体的な意味が薄れて助詞のような役割になっているものです。「延ぶ」は、どちらかといえば「伸ぶ」の方がピンとくるかと思いますが、元の表記は「延ぶ」になっています。「らし」は「らしい、きっと〜だろう」の意味です。
空を飛ぶひばりの声によって伸びる麦の葉
麦は茨城県の特産品。そして、ひばりは県の鳥。49年の茨城国体に向けて鈴木先生が作曲されたこの作品は、まさしく本県に相応わしいものだと思います。
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