Zefiro torna について

毎日ひたすら暑いですね😵
こんな状況では、Zefiro torna に描かれているような爽やかなイタリアの春を想像するのは困難かと思いますが。
ヴィバルディの代表作といえば何と言っても「四季」かと思います。私たち日本人が「春夏秋冬」に対して抱く一般的なイメージとの違いを感じる人が多いようですが、イタリア🇮🇹も四季が非常にはっきりしています。(行ったことないのでわかりませんが)
さて、日本人の「春」に対するイメージってどうでしょう?「あー、やっと長かった冬が終わって春が来るね❣️バンザイ🙌」
こんな感じで冬が悪者扱いされますかね?もちろん人にもよるでしょうけど。
イタリア🇮🇹では、冬というと、どんよりした雲。そして冷たく強い西風が吹く毎日。「明るく暖かい春」の到来を待ち望む気持ちが非常に強いそうです。(行ったことないのでわかりませんが)

さて、ペトラルカの歌詞です。
「西風が去り、好天と、その優しい家族である花と草をもたらす」
ここは、単に「春が来た」という状況説明ではありません。上で述べたように、「待ち焦がれた春がやってきた」という気持ちが欲しいです。また春になり、美しい花々が開いたという、色彩的な明るさも欲しいのです。

ところが、メロディーはというと、短調ですね。短調というと、どうしても「暗い、悲しい」イメージをもちたくなります。でも、ここは、明るく、軽いそよ風のイメージで歌いましょう。少し元気よく歌っていいです。但し、「イタリアオペラの主人公のイメージ」で歌えばよいかというと、それはダメですよ。イタリアオペラでは重すぎます。

25〜 「ツバメがさえずり、ウグイスが鳴き、春は白と赤に包まれる」
この部分は完全にホモフォニーで書かれています。ハーモニーをきちんと決めたいですね。もちろん、全員が同じ歌い方で統一されていないと、いけません。

34〜  「草原は笑い、空は晴れ」
頭の「Ridon 」は、「笑う」です。音が高かったり動きが難しかったりして余裕がないかもしれませんが、明るく笑うような歌い方が必要です。

45〜  「ジュピターは、その家族を見てはしゃぎ」
ジュピターは、ギリシャ神話の全能の神ゼウスのことです。「sua figlia 」は、「彼の娘」。ジュピターの娘は、美の女神ヴィーナスです。この辺に、ギリシャ神話の影響を大きく受けたペトラルカらしさが出ています。
51〜  「空も水も大地も愛に満ち」
アクア=水、  テラ=大地=地球
アモールは、愛  ピエナは、完全なる

60〜  「全ての生き物は再び愛を交わす」

ということで、最後まで明るく陽気な歌です。
前回書いたように、その続きは対照的に絶望と悲しみに満ちている内容となります。私たちは続きの部分はは歌いませんから、その「対比」を表現することは出来ませんが、本当はそのように対照的な2つの音楽が一つになっているということをしっかりわかった状態で歌っていただきたいです。

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Posted by uchikoshi