Zefiro tornaについて

皆さんがお持ちの参考音源では、Zefiro tornaが、やたらと長いですね。実は、この曲は、4ページ目までで終わりではなく、続きがあるのです。明るく、幸福と愛に満ちたような前半に対し、後半は深い悲しみに満ちた作者の心情を表しています。以下、歌詞と大意を載せておきます。

Ma per me lasso,tornano i piu gravi sospiri che dal cor profundo tragge quella ch’al ciel se ne porto le chiavi. e cantar aujeletti e fiorir piagge e’n belle donne honeste atti soavi sono un deserto e fete aspre a selvage. しかし、私には悲しみが重く廻り、心の奥から湧き上がるため息。
私の心の鍵を携えて天国へ逝った彼女(恋人)小鳥のさえずりも、丘に咲く花も、気品に溢れた美女たちも、不毛の地、荒れ狂う野獣にしか見えない。

さてこの曲は、ギリシャ神話と深い関係があります。25小節からプローニェ(燕)とフィロメーネ(うぐいす)が出てきますが、これは、ギリシャ神話に出てくるパンティオンの娘プロクネとピロメーナのことです。また、45小節からのジョーヴェ(ジュピター)は、同じくギリシャ神話の全能の神ゼウスのことであり、スァ フィーリア(彼の娘)は、美の女神ヴィーナスのことです。ところで、題名の「ゼフィーロ」(西風)ですが、ルネサンスの代表的な絵画 ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」はご覧になったことがあると思います。とても有名な作品ですから。その絵の中に「西風ゼフュロス」が描かれています。今度注意して見てみてください。

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Posted by uchikoshi