2019 9月26日(木)今日の練習を振り返って

国体、障害者スポーツ大会の総合リハーサルお疲れ様でした。本番が目の前となりました。
26日は木曜日ですが、マドリガーレの練習を行いました。曲は一番出遅れている「Vezzosi augelli 」。

この曲のテンポですが、楽譜に参考資料として「♩
mm72」と記されています。「mm」は、「メトロノーム・メルツェル」の略です。要はメトロノームの速度で、ということで、72にセットしてみると、これが意外に遅い!今日はゆっくり目に練習しようと思ってきたのに、皆さん、はじめからこのテンポでも違和感なく歌っています。
ただ、いろいろな参考音源を聴いてみると、このテンポでやっている演奏にはお目にかかれません。様々なテンポ設定がありますが、少なくとも♩=72よりはかなり速いものばかりです。渡辺先生からも速めのテンポを要求される可能性は高いと思っていて下さい。

曲の頭の部分の発音。まだ少し油断すると「ベッツォージ」になってしまう人がいます。日本人には発音しづらいのかもしれませんが、「ベッツォーズィ アウジェッリ」と発音して下さい。
2小節目の「fronde 」は、頭のfとrをもっと分離させるように発音しましょう。こういう説明は、専門家から叱られそうですが、「ヴェルデ フロンデ」ではなく、「ヴェルデフ ロンデ」のつもりで発音すると良いと思います。
その「fronde 」の2拍目にテヌートが付いています。これは、この2拍目をたっぷりと前に広がるように歌えば良いと思います。
遅れて出てくる男声のリズムだけの音型。私にはこれはプロバンス太鼓のリズムのように感じられます。この時代の音楽は、一つの曲を様々な演奏形態で表現していました。ある時は合唱で。ある時はリコーダーのアンサンブルで。また、ある時は金管アンサンブルで。そして、金管アンサンブルには、よくプロバンス太鼓のような打楽器が加わり、単純なリズムを刻むことが多かったのです。私は、この曲のはじめの5小節は、女声三部合唱に対して男声による打楽器の効果と考えたのですが、果たしてこの説は当たっているでしょうか?ただ、打楽器というと、大きな音を連想すると思いますが、そもそも「Mormora 」は「つぶやく、ささやく」の意味ですから、ボリュームは考えないといけませんね。
「lascivette 」の発音。まだ時々「ラスィヴェッテ」が聞こえますよ。
5小節目からはソプラノI、テナー、ベースによる三部合唱です。テナーがメインのメロディです。しっかり浮き立たせて下さい。
付点8分音符と16分音符の組み合わせが非常に沢山出てきますが、このリズムは重くならないようにしましょう。付点8分音符にリリースをつけるようにすると良いです。
9小節から「mormora 」がアルトから始まり、どんどん他のパートに広がっていきます。これはそよ風の動きでしょうか。あるいは風によってできた波の広がりかもしれないですね。少なくとも、この単語の広がり、受け渡しは意識して上手にやりましょう。
10〜12には、G:Durの主和音をなぞる動きが出てきます。「ソ・ド・ミ・ド・ソ・ドレミファソ」(移動ド)という動きです。アルトは「ミ・ド・ミ・ソ・ミ」これも主和音をなぞる動きです。最後に出てくるベースだけは4度の和音に変わって「ド・ファ・ラ・ファ・ド・ファソラシド」ですが。これらは、とても分かりやすい音型です。各パートの歌い方をきちんと統一しないといけません。
11から「garrir 」(なびく)が、しつこいくらい出てきます。風が葉や水面を様々になびかせている様子を表しているのだと思います。この単語は、はじめはソプラノII→ソプラノIと、単発ですが、その後2パートの組み合わせ、更に3パートの組み合わせへと発展していきます。
14〜17は、各パート共細かい動きがあり、それが微妙にズレていますので、慣れないと縦の線が揃わなくなります。しかし、ビックリする程 ほど複雑ではありませんから、早く慣れましょう。
賑やかな動きが17で一旦収まると、ソプラノIに何とも単調なフレーズが出てきます。意味は「鳥が黙るとき」ですから、本当なら誰も歌わないのが一番よいのですが、さすがにそれでは音楽にならないので、ソプラノIがボソボソと歌うわけです。それに対し、「Alto risponde 」(大声で答え)は、十分響かせた声で歌いましょう。ソプラノIIとベース、ソプラノIとアルトは二部になっていますが、テナーだけは単独なので、他とのバランスを考えて下さい。
21から、2部あるいは3部で細かい動きを聴かせるパターンが多く出てきます。よくお互いのパートを聴き合いましょう。単純な3度でハモる和声的な動きですから、歌う方も分かりやすいですが、その分聴いている方にも分かりやすいので、上手にハモっていないと、すぐにバレてしまいます。

ここまでで曲の前半のアナリーゼ終了です。後半はまた後ほど。

未分類

Posted by uchikoshi